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スポンサー様との会話







2月28日







母がお望みのツワブキを採集し終わり

その後

海の家の伸びすぎた樹木をアレしてやろうと思ったが

やはり少しだけシロクンを捜してみようと思い

島の駐車場まで車で下りていく途中

とくおお の路地に白いモノが日向ぼっこしていないか徐行しながら見ていると

シロクンのスポンサー様の奥さん様が下屋から落ちた布団を拾い上げて

それの埃をパッパッと手で払い除けている場面だったから

急ぎ島駐車場に車を駐車して

後手でドアをバタムと閉め 

とくおお の路地入り口まで駆け足で向かった

そうしますと

スポンサー様の奥さん様は下屋の上で布団を干していた

下から声を掛けるのもアレかな........

迷惑かも知れんな.......

またいつか声を掛け易い場面があったら.......

という考えが頭に浮かんだけど

思い切って声を掛けてみた




「 あの! しっ! シロク! いや、あの、いつもここに居た白猫って 」

「 ええと、あの、最近ずっと姿がないんで 」

「 あの、あの、も、もう、居ないんでしょうか? 」




スポンサー様の奥さん様は少し小首を傾げながら俺を見下ろして

何か思いついたように口元 あ という形にした



『 よく猫に会いに来ていたオニイチャンかな? 』



オニイチャンじゃなくてオッサンなんやけど

まあ、それは置いといて



「 ええ、そうなんです 」

「 何度か捜して周っているんやけど 」

「 トンネルの向こう側とか色々と捜したんですけど 」

「 あの、ここにも全然戻って来てないですか? 」



スポンサー様の奥さん様は

少し眉をひそめて悲しそうな顔をした



『 そう....... 』

『 私らも何度も捜したけど.......... 』













その後

5分ほどシロクンについての話をした

やはり12月の初め頃にシロクンは姿を消したこと

頭頂部の傷が膿んで首元にまで広がってきていて可哀想に思っていたこと

家に入れてあげようか悩んでいたが

スポンサー様は自宅に20年も生きている長寿猫を飼っていること

飼い猫の長寿猫も心配だったが

自分自身も年が年だから

シロクンの傷が酷いとき  ( 腐敗したような臭いを放っていたとき )

自宅に招き入れるのを躊躇してしまったこと ( 感染症が心配で )

それでもシロクンは食欲もあり弱っていく様子を見せなかった

なので

野良猫のシロクンは体が強いし

きっと大丈夫だろうと考えていた矢先

シロクンは姿を消してしまった

ということだった







そして

もしかしたら優しい人が拾っていったのかも

怪我をしているシロクンを可哀想に思い

動物病院に連れて行った後、そのまま飼い猫にしてくれたのかも

みたいな事も考えていたようだ

俺も全く同じような都合の良い考えを何度も何度も想像したもんな

たぶん、言いはしなかったが

俺がシロクンを連れて帰ってくれたのかも

とも考えていたんじゃないかと思う

それだったら、どんなにハッピーエンドだったか

いまうちにシロクンいますよ

傷も治って毎日いっぱい猫メシ食べてゴロゴロして元気いっぱいですよ

そんなふうな話が出来たら

どんなにアレだったか

しかしながら

今日、俺がスポンサー様の奥さん様に声を掛けて

シロクンの行方を尋ねた事で

その線は消えてしまった

俺もスポンサー様もシロクンとの付き合いは長いから

シロクンを失った悲しみは同等のモノと推測できる

そのまんまシロクンの存在に希望を持たせてあげて置けば

良かったんだけど........

また悲しみをぶり返させるような事をしてしまった

悪い事をしてしまった

まあ、俺もぶり返ったよな

もしかしたらスポンサー様がシロクンの可哀想さに耐え兼ねて

もうそろそろ寒さもきつくなってくるから家に入れてあげようということになって

そのまんま飼い猫にしてくれたんじゃないか

それでいつか俺が とくおお の路地を音を出しながら歩いていると

スポンサー様の家からニャー!という声が聞こえて

玄関戸の擦りガラスの向こうに白い陰が見えて

それでもう1度 景気良く音をジャラジャラさせると

ニャーオ? ニャーーーオ?

と、間違いないシロクンの声が返ってきて

シロクン! おまえ! おまええええ! よかったなああ! 生きてたんだなあああ!

飼い猫になったんか良かったなああああ!

つってガラス越しに感動の再会を........

そんな希望的な想像を何度も何度もしたよな

でも、これでその希望は崩れてしまった

そういうことでは お互い様だから

まあ、アレだよな
 
しかしながら

最後に

上のほうにシロクンの兄弟も居るから ( ヤクザ猫のことだ )

また、いつでも会いに来てあげてね

と、言われた

もちろん会いにくる

ヤクザ猫は人間嫌いだから仲良くなるのは難しいからアレだけど

シロクンの姿は見えなくても

シロクンはどこにでも居るもの

島駐車場からトンネル抜けて こども広場までの沿岸から

至る所の坂道階段から高台の隅々までシロクンとの思い出でいっぱいだから

こっちに来たら何処でだってシロクンの思い出と会えるのだから

そりゃあアレだろ

今後何十年だって通い続けるだろうと思うよ

もう悲しくはないと言ったら嘘だけど

後悔もないと言ったら後悔だらけだけど

これからもずっと会いに来ちゃうよなシロクン

シロクン今日は絶好の日向ぼっこ日和だったな

こうやってだんだんと気温が10℃超えるような日が増えてくるんだろうな

まだ寒い間にな

最後にもう1度だけシロクンを膝にのせて撫でてあげたかったな

おまえはアレかな

スポンサー様の膝の上で眠った事はあるのかな

もしかして人間の中で俺だけだったのかな膝に乗せたのは

などと少しでも思うと未だに目頭が熱くなっちゃうんだよ
 
まだまだだな俺は

なあシロクン。







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